2015年7月開催

2015/07/19

2015年7月19日に臨床研修会月例会を開催しました。

①午前の基礎科は、川幡あづさ先生による「腰痛症」の講義・六部定位脈診の実技実習を行いました。

[腰痛症の講義]
腰痛症は局所の刺鍼だけでも大変楽になりますが経絡治療も同時に行うと効果が二倍になります。
それは、経絡治療が病の根本にアプローチ出来るからです。
今回は腰筋筋膜炎(ぎっくり腰)に焦点を当てて病因・病理・病症についてお話させていただきました。
筋膜と絡脈との関係や何が激痛を引き起こしているのか、ドーゼの決定を脈でどの様に決めているかなど、一時間の講義では話しきれない程、盛りだくさんの内容になりました。

腰痛の種類は数多くあります。
今回は腰筋筋膜炎ですが、機会がありましたら腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症・すべり症状などの治療についても触れたいと思います。

[実技]
受講生で妊婦さんがいらっしゃるので、妊娠中の脈の見方と実技を行いました。
妊娠中の脈は滑脈を帯びているので証の決定が難しい場合があります。
しかし、落ち着いて証を立て丁寧な刺鍼によりしっかりと平脈にする事が出来ました。

実技の後はモデル役の妊婦さんからは「スッキリしました!」と喜んでいただきました。
経絡治療はつわりがひどい方や妊娠中毒症、逆子、妊娠中の腰痛、浮腫など、妊娠中の様々な症状に対して治療が可能です。


②午後の臨床科は、薗田代表による「弱脉・濡脉」の講義を行いました。

弱脉・濡脉に共通するものは、先天的または、後天的に命門、三焦の気が弱い事が根底にあります。
弱脉は、気血虚損を意味します。先天的、後天的に精気の虚が著しく、経絡病証では、栄衛の気の循りが悪く風湿が侵入し易く陰虚、陽虚を起こしやすいです。
臓腑病証では精気の虚が著しく、内因である憂愁悲により臓自ら病み、気血の生成が弱くなり、脾胃を病む。これを繰り返します。

濡脉は、老人に於いては気血不足で、根本的に三焦命門の衰えを意味します。
また、若い人に於いては、気血虚損を意味します。経絡病証では、気血栄衛の衰えにより、特に寒湿が長期的に侵入し各経絡の働きに支障を来たします。
臓腑病証では、命門三焦、脾胃の衰えにより、七情の気に傷られやすくなります。 



[臨床科実技]
2人1組で各々1時間六部定位脈診の実技実習を行いました。